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戦国ブームを牽引するふたりの歴史学者が、戦国ファンも注目の高槻で激アツトークを展開!まさかの市長も参戦したイベントをレポート!


223日(日)、高槻城公園芸術文化劇場南館太陽ファルマテックホールで、戦国・城郭ファンに同市の歴史にBOTTO(没頭)してもらうイベントが開催!城郭考古学者・千田嘉博さん、歴史学者・平山優さん、そして自らも歴史好きと話す高槻市長の濱田剛史さんも参戦!戦国高槻の歴史を熱く語り合いました。会場には抽選で選ばれた約190名の観客が訪れ、戦国高槻へのBOTTOモードもヒートアップ!その詳細をレポートします。


 

■髙山右近に三好長慶、松永久秀も高槻にゆかりがあった!?

 

まずは、MCを務める大人気歴史YouTuberミスター武士道さんと濱田市長で、戦国高槻にまつわる人物トークからスタート!

高槻市長の濱田剛史さん(右)とMCのミスター武士道さん。

高槻といえばキリシタン大名の高山右近や信長に先んじた天下人・三好長慶が有名ですが、濱田市長によると、最近の研究では松永久秀も高槻出身であることがほぼ確定しているのだそう。濱田市長も「高槻には松永さんの伝説が残っています。その真偽は別にして、伝説や言い伝えが遺っていること自体に、私は意味があるのではないかと思っています」とコメント。松永久秀は戦国時代の三梟雄のひとりに挙げられる武将ですが、近年は、三好家を支えた忠臣としての評価もあります。そんな松永久秀が高槻出身であることに、客席からも驚きの声が上がりました。

芥川城への思いを語る濱田市長。その熱量に思わずミスター武士道さんや観客のみなさんも引き込まれました。

有名戦国武将と高槻市のゆかりに触れたところで、今回のトークテーマとなる「芥川城」と「高槻城」の話題へ。芥川城は令和4年(2022)11月に国指定の史跡となり、続日本100名城のひとつにも選定。登りやすい山城でもあるので、多くの方が芥川城を訪れるようになったそう。実際に城を訪れたというミスター武士道さんも「見晴らしがとても良く、戦国時代はきっと大阪湾まで一望できたんでしょうね」とロケーションの良さについて話しました。

高槻市民にはおなじみの高槻城。その立派だった城郭を示す古地図に、歴史ファンもくぎづけ。

続いて、濱田市長は北摂エリア唯一の近世城郭である高槻城について紹介。同城は、イベントの舞台となった高槻城公園芸術文化劇場の周辺にかつてあった城跡で、徳川秀忠の側近として活躍した永井直清が藩主として入城しました。高槻城三の丸跡の一角に建つ「高槻市立しろあと歴史館」には、若き日の直清が大坂夏の陣の際に身に付けていた甲冑が保存されているそう。これにはミスター武士道さんも「ぜひ見たいです」と、戦国ファンらしい本音がチラリ。

 

<アーカイブ動画も公開中!>

■実は天下の中心だった高槻!教科書に「高槻時代」が載る日も近い!?

千田さん、平山さんが登壇すると会場からは割れんばかりの拍手が。BOTTOモードもますます高まります。

ここで、千田嘉博さんと平山優さんが登壇。イベントの第一部は「戦国高槻みどころトーク」と題し、事前に両名が高槻歴史スポットを巡ったVTRを観ながら、クロストークが繰り広げられました。

芥川城があった高槻市の三好山。

まずは、関西でも屈指の巨大山城として知られる芥川城跡です。高槻ゆかりの三好長慶はこの城を本拠地に定め、天下(当時の畿内)の支配を始めます。千田さんは、芥川城が巨大化した経緯について、「単なる砦ではなく、家臣たちも山上に移住し、政治・生活の場所となっていったことが理由」と解説。同時期に建てられた能登畠山氏の七尾城(石川県七尾市)や伊達稙宗の桑折西山城(福島県桑折町)も同じ性質を持った山城であることにも触れつつ、芥川城が時代の転換期に登場した歴史的にも価値が高い山城であることを紹介。特に、三好長慶が畿内の政治を司ったことで、芥川城が天下の中心であったことを強調しました。

千田さんの軽妙なトークで会場内もより和やかな雰囲気に。

また平山さんも、京都から距離を置いた場所で政治を行う織田信長や豊臣秀吉のスタイルの先駆けとなったのが、芥川城における三好長慶だと指摘。ミスター武士道さんが「信長、秀吉が作った『織豊期』の前に三好家の時代があるのでは」と話すと、千田さんはすかさず「『高槻時代』というのはどうでしょう」と驚きの提案!平山先生も「公家衆や幕府の関係者も芥川城に出仕していたことが資料に書かれていて、高槻が天下の中心になったのは間違いないです」と賛同し、観客も地元・高槻が歴史的に重要な場所であることを再認識したようでした。

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歴史人編集部れきしじんへんしゅうぶ

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